値決めのジレンマ。値決めは目的ではなく、自分の位置を知るための手段だと思ったらいいかも。

投稿者: | 2015年10月23日

jyudo

先日、とある方と”値決め”の話になりました。

稲森氏も「値決めは経営!」と仰るように、値決めはとても大切です。

ボクのようにモノを扱っている会社だと仕入コストから考えることが多く、根拠が比較的明確で、価格設定(値決め)がしやすいです。

しかし、コーチングやコンサルのような場合、相場はあれど基本的には自分の考えで設定することになります。

いくらでもいいからこそ、自分のつけた価格に自信を持たなければいけません。

これ、ボクも自分なりのサービスを考えるときにぶつかるとても難しい問題なんです。

そこで、自分なりに「どうやってその値決めに自信をモテるか?」を考えてみました。

自分が強いと思い込む。

全く話は飛びますが、ボクは高校時代に柔道をやっていました。

毎日ゴリラやクマな人たちの中で揉まれました。

その中でも、強い人、強くなる人の共通点があります。

もちろん稽古量や資質もあります。

しかし、何より一番共通しているのは「自分が強い!」と信じてやまないことです。

ビックリするくらい弱いのに、「オレは強いんだ!」と思い込んでいるんです。

乱取り(柔道の試合形式みたいな練習)で何度も投げられているのに、「オレは強い。だからオレがオマエに投げられるのはおかしい。」と考えて、次から次へと向かっていくんです。

常に「強いオレが負けるのはおかしい。」と考えるから、「オレが強い事実」を証明するためにひたすら稽古します。

そしていつしか本当に強くなり、「ほら、やっぱりオレは強い。」と思うタイプが存在します。

自分は弱いと思い込む。

もう一方で、別の考え方で強くなる人もいます。

「自分は弱い」と思って、強い人にひたすら教えてもらいにいくタイプです。

常に「自分は弱い」と思っていて、相手を投げても「たまたま勝っただけ。まだまだ自分は弱い。」と考えます。

周りから見たら「十分強いだろ~」と思われますが、本人は「自分は弱い!」と思っているのでひたすら強い人に教えてもらいにいきます。

このタイプには注意が必要で、その環境が大切になります。

弱い人ばかりの中にいたらそれ以上は強くならないので、その強さを認識して、環境を変えていくことが大切です。

ボクの場合は、当時の恩師がそのあたりを考えてくださって、地域の強い高校→地区外の強い高校→他の県の強豪校→一般大学→体育大学とステージを変えてくれていました。

だから、その稽古場では相対的に自分は常に”弱く”、けれど、地区大会や都大会の本番では、格段に強くなっています。

ここで大切なのは、”自分の強さ”を知って、それに合う環境で稽古することです。

値決めのジレンマ。

モノがないサービスの価格設定、例えばコンサルやコーチングといった場合、自分のつけた価格に自信を持たなければいけません。

ボクのような人間だと「こんな価格つけてしまって、オマエごときがこんな高い設定しているんじゃねーよ!と思われないかな~」と心配になります。

これが先の柔道の例のように「自分は強い!」と思えるタイプであれば「いやいや、オレは強いんだからこの価格は当然でしょ。」と思えるかもしれません。

しかし「自分は弱い」と思っているタイプは「自分はまだまだだから、安く設定してここで修行しよう。」と思ってしまいます。

ボクはどちらかと言わなくても後者のタイプで、いつまでたっても値上げや値決めができません。

ということで、考え方を改めました。

これを第三者から見ると「そんな稽古ばかりしていないで、試合に出てみて自分のレベルを試してみることが大切なんだよ!」と言いたくなります。

大切なのは、今のレベルやステージを知ることです。

それを知るからこそ、次の手が打てるんですから。

マーケティングやA/Bテストと同じですね。

そこで、こう思ったわけです。

値決めに自信を持つために何かしようと考えるのはムダ。

”自分の位置”を知るために、値上げや価格設定をする。

値決めは「自分の位置を知る小テストくらいなもの」なんだと思いました。

小テストなんだから、いちいち自信なんて持たなくてもいいし、他の人もいちいち気にしません。

値決めを”目的”だと考えていたのを、”手段”に変えてみました。

すると「ああ、とりあえず値決めして自分のレベルを試してみよう。なんか言われたら、ちゃちゃっと取り下げようっと。」というくらいの感覚で考えられそうです。

 

自分のサービスの値決めに困っている”ボク自身”に向けて書いてみました。

 

 

◆近況報告◆

今日は、いろんな会議。

1日1新:なし。

 

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