本屋で気がついたことがあります。
新しいことを始める人向けの本は山のようにありますが、何かから撤退するときに読む本は”禁煙”や”会社を辞める”くらいしかないということ。
新規事業を始めるときに一番大切なことといえば、あなたなら何をあげますか?
本屋さんで多く見る本のタイトル。
本屋さんには、「何かを始める」ための本が山積みです。
例えば「事業をイチから起こす!」「飲食店新規オープンさせるときに大切な方法」的な新しいことへのノウハウ本的なものです。
しかし、逆に「事業から撤退する時のポイント」「飲食店を閉めるときにやるべき方法」的なものは、まず目にしません。
新しいことをどんどん積み重ねる思考。
新店舗出店や新サービスを始める際に議論されることの多くは、「いかにしてその店舗やサービスを軌道に乗せるか?」です。
新店舗やサービスのPLを作って、そのPLに対する販促予算などを考えて、確度の高い施策を組み立てます。
そして、PDCAを回すことになるのですが、「うまくいかない訳がない。(うまくいかせる!)」と考えているので、足りないなら「コレもやれ」「アレもやれ」となったり、「担当が悪いから人を変えよう」となり、投下するリソースがどんどん膨らんでいきます。
本屋さんに行けば、いろんな戦略や戦術を書いた本があるので、「これもやってみよう。」「あれもやってみよう。」となることが多いのではないのでしょうか。
撤退ラインを決める。
株では、【損切り】が大切だと言います。
(損切り:含み損をしている株を見切り売りして、損失額を確定させること。)
とあるお取引先の取締役の方から聞いたことがあります。
「新規事業を始めるときに大切なのは、どんな施策を打つかではない。どこで撤退するかを決めておくことだ。」
この考え方は、とても大切です。
「新たなサービスを軌道に乗せるための議論」も大切ですが、「どこのラインで撤退するか?」の議論も同じように大切です。
損失額を確定させてから新規事業を始めれば、損失が膨らむことはありません。
「撤退するを決断するポイント」や「事業撤退するときに損失を最小限に抑える方法」のコンテンツは、いろんなビジネスに結びつく可能性があり、”逆”を行くおもしろい発想だと思います。