若手社員に仕事を教えていると、昔のアホでダメダメな自分を思い出します。
そのアホでダメダメな自分に比べたら、今の若手社員は、大学も良いところを出て地頭も良いし、飲み込みも早いし、一生懸命に取り組むので、素晴らしいと思っています。
ただ、教えていて感じるのは、失敗を恐れる、注意されることを恐れている傾向が強いなぁということ。たまたま、そのメンバーの特性なのかもしれませんが。
そりゃそうですよね、失敗をしたり、注意をされたりするのは、自分を否定されているかのように感じることもあるし、誰でも嫌なものです。
けれど、失敗しなければわからないこともあるし、注意されないと気が付けないことは山ほどありますす、というかほとんどがそうでしょう。
例えば、ボクは若手の頃には営業職でしたので、その昔飛び込み営業なんてものをやっていました。
「とにかく1日100件まわってこい!」みたいなことを上司から言われて、仕方なく山手線の駅ひとつひとつで降りて、グルグルといろんな会社を回るんですね。
しかし、当たり前ですけど、ほとんど門前払いだし、断わられるわけです。
なので、担当者に会えない、次のアポすら取れないという意味では失敗ばかりということですし、上司からは「は?何件まわったんだよ!」と叱咤されまくりの日々でした。
なので、翌日も、翌週も、翌月も毎日失敗して、毎日怒られるという状況でした。
そうなってくると、失敗したり、注意されのが当たり前になってきて、何とも思わなくなる一方で、「どうしたら上手くいくんだろう?」と考えるようになるんです。
そして、自分なりに「こうしてみよう」、「ああしてみよう」と考えたり、先輩に「どうやったらうまいこといきます?」とアドバイスを求めつつ、毎日失敗する中で、自分なりの勝ちパターンをつくろうとして、ある時から1件、また1件と上手くいくことが出てきて、半年もすると確度の高い方法を見出すことができました。
しかし、今教えている若手社員は、極度に失敗や注意を嫌う傾向が強いように感じます。
例えば、「とりあえず、やってみよ」と指示すると、失敗したくないので「どうやったら良いんですか?」「この場合はどうしたらいいですか?」と聞いてくるので「いやいや、それを自分で考えるのも仕事だし、考える過程で身に付くことがこれから先で大事になるよ」と伝えても、「教えてもらわないとわかりません。」と言います。
そして、こちらから仕方なくできる限りのことは伝えた上で、失敗すると「言われた通りにやったんですけど、失敗しました。どうしたら良いですか?」となります。
失敗したくない気持ちもわかるし、注意されるのを嫌うのもよくわかりますが、失敗したり、注意されないと上手くいくことはありません。
成功、成功、次も成功ばかりも良いけど、失敗、失敗、次も失敗することを前提に取り組んで、その中から自分の勝ちパターンをつかむ考え方の方が、長い目で見ると上手くいくと思っていますが、なかなかこれが伝わりにくいなぁと感じています。
こうした若手教育をするにあたって、自分の考え方や価値観を見直し、若手の感覚を理解し、いろいろと試行錯誤して、失敗を積み重ねるのもおもしろいものですね。
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