プロダクトアウトとマーケットイン。
どちらが良くて、どちらかが悪いということはありませんが、プロダクトアウトにこだわると売れる商品をつくることはできません。
とある自治体との打合せでのお話。
地元の産業を活性化させるために、伝統工芸品を販売したいとのこと。
伝統工芸品は、歴史もあり、職人の技術が結集して作られているのでそれはそれは素晴らしいんです。
ただ、近年は観光地に人がいなくなってしまって売れなくなってしまい、何とかしたいとのことでした。
そこで、何かしらのカタチでご協力ができればと思ってお話を聞いていると、ちょっとした違和感を感じました。
それは、「自分たちの品は唯一無二のもので、商品自体は良いものだから、売るのはオタクのチカラの問題でしょ?」という思考のようなもの。
例えば、
試しに売るにも多少の費用も、売れるなら出すけど、売れないなら出さない。
市場に合わせた商品を開発するようなことはしたくない。
職人技でつくった商品だから魅力はあるから、売れないのはオタクの責任。
そんなようなスタンスなんです。
まあ、伝統工芸品だから仕方ないんでしょうね。
そういう考え方をしていては、ものすごくもったいないと思いますが。
個人的には、歴史ある伝統工芸品の技術を活用して、今の時代や市場のニーズに合わせた商品を創り出す方が良いのではないかと思うわけですが、それが自分たちが、自分たちの技術でつくったものしかできないと言うんです。
その考え方も理解できないわけではありませんが、売れる商品が良い商品であり、良い商品が売れるのではないという市場の原理を知らないようです。
こういう思考の方とお仕事をするとお互いのためにならないので、ご一緒しないようにするのがボクのスタンスです。
ただ、ここでひとつ思ったことがあります。
それは、このプロダクトアウト的発想は商品に限ったことではなく、自分の思考や行動様式にも当てはまると思ったわけです。
新しい職場での仕事や新規事業を立ち上げるときに、今自分が持っているスキルやノウハウを使って何とかしようとするプロダクトアウト的な発想ではなく、その環境に合わせて価値を提供できるように自分のスキルやノウハウを編集してするマーケットインの発想も大切ってことです。
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