機能的価値を絶対的に上げるとドツボにハマる。やるべきは、相対的価値を上げる工夫。
ビジネスをしていると、
「付加価値をつけようぜ!」的な話になることがあります。
その付加価値は、どうやって考えればいいのでしょう?
結論から言うと、
3×2で自分たちの付加価値を考えることが重要です。
まず、「付加価値をつけようぜ」という活動の起点になるのは、
どちらかというと「お客さまが求めているから」ではなく、
自分たちの都合で「付加価値つけようぜ活動」が始まることが多いようです。
その流れの多くは、ザックリ言うと、
「売上を上げたいよね!」
→「それなら、お客さまを増やすか、客単価を上げなきゃ!」
→「客単価を上げるには、商品の価格を上げなきゃ!」
→「だとすると、商品の価値を上げる、つまりは付加価値つけようぜ!」
みたいな感じ。
そして、結果的に、
「自分本位の価値を上乗せして値上げする」みたいなことになります。
ただ、自分本位が悪いわけではなく。
そもそも付加価値の価値って、何なんでしょうね?
マーケティングでよく言われるのは、
価値は3つに分けられるよ、というもの。
- 機能的価値:技術や性能、効果など、問題を解決する機能そのもの。
- 情緒的価値:安心感や高級感、充実感など、気持ちの良い感情になれるもの。
- 自己表現的価値:自己表現を手助けしてくれるもの。
どれかひとつだけの機能を持っているわけではなく、
それぞれの機能を持っているわけです。
一方で、もうひとつ価値の考え方があります。
それが、絶対的価値と相対的価値。
- 絶対的価値:他の何物ともくらべようもない状態・存在であること。
- 相対的価値:物事が他との関係や比較の上に成り立つさま。
こちら参照↓
ここで重要なのは、
「三つの機能と二つの機能を掛け合わせて、
自分たちのつくる価値を決めた方が良いよ。」ということ。
「価値を上げよう!」とする多くの場合、
機能的価値を絶対的に上げようとします。
希少な素材を使ったり、超ハイスペックにしたり、
お客さまが求めていないのに機能的価値を上げようとすると、
コストがどんどん上がってしまい、ドツボにはまります。
しかし、価値を上げるときにするのは、
相対的価値に目を向けた方が良いんです。
例えば、
高齢者が多く住むエリアで、昼からやっている美容院が多ければ、
早朝から始めてみたらどうでしょう?
もしかすると、早起きの高齢者にとっては、
昼からしか営業していない店と比べて、相対的に見て価値があるわけです。
もちろん絶対的価値として、
カットの技術を世界一にする方法もあるかもしれませんが、
それよりもコストも時間もかけずにできる付加価値です。
つまりは、
機能的価値を絶対的に上げることはせずに、
ズラして、相対的価値を上げることが重要。
ということですね。
先日友人とそんな話をしたので、自分なりのメモでした。
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