#802 簡単に出る答えに価値は無い。
みなさん、こんにちは。
会社の会議ってイロイロです。
参加している方々は、個々に高いレベルの知識も経験もあるので自分にとっては学びの場になるのですが、こと会議全体の話し合いとして見ると、「あれれれれ?」と変な方向へ行ってしまうことがよくあります。
ちょうど読んでいた田坂広志さんの本におもしろい事が書いてありました。「知能」「知性」「知識」「知恵」の言葉。同じように見えるこれらの言葉の違いがわかりやすく説明されており、”そもその知性とは何か?”という問いにインスパイアされ、最近の会社の会議を見直す必要があるのかなあと思いました。
分量も多くなく、サラッと読めるので電車の中にお勧めです。
知識の自慢大会。
会社では、いろんな施策を考え、それを実行するまでには、関連部署を集めて、いろんな人の意見を聞いて、然るべき人から了承をもらわないといけません。
関連部署の人も忙しいので、なかなか集まることができず、当然ながらスピードや熱量は下がってしまいます。そうした問題を解消するために稟議書システムがあると思いますが、「やっぱ直接話をしないとマズイよね。」みたいな風潮もあり、時間ばかりがとられます。
・・・ま、それはさておき、人が集まるといろんな視点から様々な意見が出てきます。
それはとても大切なことなのですが、どうも聞いていると自分の知識を披露する場になっているように感じてしまいます。
セミナーや本で読んだこと、勉強したことの視点は確かに大切です。が、それらの表面的な部分だけを、さも「これがすべてだ!」と話をする傾向には、(知識のないボクを棚に上げて言わせてもらうと)少々首を傾げたくなります。
そして、それらをやらないよりはやった方がいいということでその意見が採用され、思ったような成果が上がらいと、その原因はその施策を徹底してやらないことがうまくいかないからだ!!となったり。。なんかおかしいですよね。知恵ではなく、知識の自慢大会です。
決定的に欠けている視点。
そういった会議の(知識自慢)議論の中で、致命的な視点が欠けていることに気が付きました。
それは、主語が”自部署”ということです。
いろんな施策を打つにあたって、主語が”自分の部署”になっているんです。A部が「これをやろうと思います。」と言うと、B部が「いや、それはこちらにとって影響があるから困る!」といった押し問答が起こります。
自部署が大切なのは、確かにわかるんです。さらにひとつの施策を打つにもいろんな視点が必要だし、いろんな経営戦略やフレームワークを利用して説明するのもいいんです。
しかし、知識はいいけど、そこには「御客様のために」という視点が完全に欠けています。
簡単に答が出ることに価値はない。
どんな”知識”も”経験”が伴わないと”知恵”にはなりません。
上記で紹介した本にも書いてありましたが、知識を得ただけで、自分たちの状況や立場を一気に改善できる経営戦略がつくれるわけがありません。そういった知識を得ると、さも自分たちができるようになった気になりますが、そんなことはあり得ません。
当然、知識を得ること意味がないと言っているのではありません。知識を得たうえで、アクションを積極的にして、自分の血肉にすることが大切です。
しかし、知識を得て、行動したからといってすぐに答えが出るものでもありません。そこには、いろんな問題があり、試行錯誤を繰り返した結果、お客様にとっての価値というものができていくものです。そして、そこに当然ながら完成型は無く、正解を探し続ける必要があります。
そのプロセスで生まれる下支えするベースこそが強みであり、目に見えない資産となります。
★近況報告★
今日は、終日打合せ。夜は、会社のコンサルに入ってもらっている人たちと飲みました。今後前向きに仕事ができそうです。
1日1新:会社近くのパン屋さん。
1D1A:プレゼン資料作り。
今日も一日感謝です。