オムニチャネルが流行っているけど、そんなに必要ないのかも。

投稿者: | 2017年5月2日

オムニチャネル構築に関わる仕事をしながら、「あれ?実はオムニチャネル、いらないんじゃね?」と考えることも在りうるよね、って思った次第で。

小売業での流行りのオムニチャネル。

小売店を展開している企業の多くは、「やっぱ、これからはオムニチャネルだよね」的な空気感があります。

何となくですが、「EC市場は15兆円に成長して伸びてるし、みんなネットで買ってるし、店舗の売上は苦しいから、店舗やECをシームレスにつないで価値を提供するオムニチャネルをやれば、相互にお客様が利用してくれて売上が上がりそう!」みたいなイメージを持って、トップの号令で”オムニチャネル”を推進するケースがあります。

確かに、アパレルのある企業では、店舗だけの利用客、ECだけの利用客の年間購買金額よりも、店舗とECの両方を使ってくれる(オムニチャネル)お客様の年間購買金額の方が3倍多い!なんてデータもあります。

そうなると、在庫一元管理、顧客一元管理、ブランド統合、サービス統合など、いろんなものをくっつける必要が出てきます。

そのためのCRMであったり、MAであったり、機能満載のECカートであったり、システムの導入を検討することになります。

なので、システムベンダーさんはこぞってCRMやら、MAやらを全面に押し出して「オムニチャネルには欠かせません!」というスタンスで提案をしています。

うんうん、確かに仰るとおり。

しかし、そうしたシステムは、あくまでツールです。

で、みんなちょっと冷静に考えだします。

すると、「そもそも自分たちは、どういうお客様にどんな価値を提供しているの?そして、マーケティグ設計によって、システムに求める思想や機能も変わるよね。」ということに気が付き、それらを自分たちで考えるのは難しいことに気が付き、コンサルタントなどに助言を求めるようになります。

上位レイヤーで、ビジネスモデルの設計を再考するわけですね。

改めて設計すると、いろんなことが見えてくる。

ビジネスモデルやマーケティグ(UXとか、カスタマージャーニーとか)を改めて設計するとなると、現状の把握が必要になります。

いろんなデータを引っ張り出して、あーでもない、こーでもないと見たり、ビジネスのフレームワークを使ってみたりしていくんですね。

(この辺になってくると、現場を経験したことのない頭でっかちみたいな人との溝らしきものが出てきたりします。。)

そんなこんなで、いろいろ情報が可視化されてくると、「あれ?自分たちの想定しているような買われ方をしてないじゃん!」みたいなことが往々にしてあります。

あれ?オムニチャネル、いらないんじゃね?

で、今まで把握しきれていなかったことが見えてくると、いろんなことが共有されて、いろんな危機や機会があることが見えて、即刻やらねばならないことや時間をかけてやるべきことがカタチになっていきます。

そうすると、「SFAの導入だ!」「顧客基盤統合してMAをフル活用するぞ!」みたいなことも必要です。

でも、その時点では、間違いなく「・・・あれ、ちょっとまてよ。」となります。

実は、一般的に言われる”オムニチャネル”が必要な場合もあるし、オムニチャネルは必要なくて自分たちができることをやった方が良いよね!となることも当然考えられるわけですね。

そうなると、投下できる資源は限られている中で、自分たちのマーケティングの根幹を変えていくわけですから、いろんな部分での”覚悟”が求められることに気が付きます。

う~ん、オムニチャネルはひとつの手段であって、その企業の置かれている状況や持っているリソースによっては違う手段もたくさんあるように思えてなりません。

 

◆近況報告◆

連休前ですが、いろいろお仕事が山盛りです。。

1日1新:なし。